Whitestone Audio Instruments
マスタリング・ギアの歴史の中で類稀なツールとして人気を博すWhitestone Audio Instruments(ホワイトストーン・オーディオ・インストルメンツ)の「P331 – Tube Loading Amplifier」は、数々のグラミー賞にノミネートされるマスタリング・エンジニア、Kim Rosen(キム・ローゼン)を妻に持つDave Rosen(デイヴ・ローゼン)が、彼女の新しいマスタリング・ルームに置く特別なカスタム・メイドのアナログ機器を模索する中で生まれました。Kimの仕事は、厳選したイコライザーやコンプレッサーの入出力ゲインステージだけを利用し、実際の処理をスルーした状態で行われることが少なくありませんでした。これらのアナログ・ゲインがもたらすエンハンスメントがマスタリングにちょうど良い魔法として働くことに着想を得て、この可能性を拡張した真空管回路の自然な透明感を提供するマスタリング用ラインアンプを考案しました。
「倍音やその他の非線形性要素を再現できる完全なスイッチング制御を持ち、レコーディングの本来の意図を損なうことなく信号を強化できる機械」は、その着想から5年間、電気技師達の協力を得ながら、思い描く機能を実装するための試行錯誤が繰返されました。回路設計とプロトタイプの製作、機能追加と破棄、新しいプロトタイプの試聴と微調整、その改訂版の製作とさらなる微調整・・・、これらの繰り返しは「P331」が本当に優れたプロセッシング・デバイスになるまで行なわれました。
「P331」を素晴らしいサウンドと便利な機能を持つ機器にするために採用したのが、「6SN7」デュアル3極真空管を中心に設計されたA級完全差動(バランス)真空管アンプです。「6SN7」真空管は、プロ・オーディオ機器では希少でありながら、固有の「クリーンでシルキー」な特性からHi-Fiオーディオ・プリアンプでよく採用されています。(「6SN7」真空管は1939年の発売から現在も生産されており、新品でも問題なく購入可能)
最高峰のマスタリング・エンジニアのライフワークは、「そこにあるミックスを損なうことなく、新たなレベルに引き上げる」、このことを念頭に置いて「P331」では、過剰に処理された不自然で強引なサウンドにならないように設計されています。穏やかなパラレルLIFTフィルター、出力トランスのオプション、クリーンなソリッドステート出力ゲインに至るまで、「P331」のあらゆる機能は、「とらえどころのない、しかし聴けば理解できる特別なサウンドの要素」の加味、調整を実現しています。
Whitestone Audio Instrumentsが考える素晴らしいレコーディングとは、繊細さの積み重ねの総体であり、供給する「P331 – Tube Loading Amplifier」は、このような繊細な要素を表現できる製品に仕上がっています。