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Nadine ユーザーインタビュー

ジャズベース奏者 納浩一


長きに渡り国内屈指のリーディング・ジャズベースプレーヤーのひとりとして活躍し、ジャズスタンダード曲集「ジャズスタンダード・バイブル1・2」の著者としても知られる納浩一氏は、コントラバス用マイクロフォン、Nadine(ネイディーン)ユーザーです。ブルーノート東京で行われた『DELICIOUS 〜JUJU's JAZZ 2nd Dish〜』公演にて愛用のマイクロフォンと、新しく開設されたというオンライン・ベース・サロンについてお話しを伺いました。



──Nadineの反応はいかがですか?

主にホールでのライブ、コンサートでのことですが、“コントラバスのチャンネルを取らせてください”と音響サイドから、クリップ式の小型コンデンサーマイクを持ってこられることが多いんです。僕のコントラバスには、Nadineを取り付けているので、これで繋いでもらえますか、と試してもらうと、とても評判がよいんですね。Nadineは、しっかりした厚みと重さのあるコンデンサーマイクですから、小型のコンデンサーマイクよりもよい結果のなるのは当然のような感じもしますが、実際に試してもらうと、どこでもすごく良いという話になるんです。





──Nadineはどのように使われていますか?

ブースに入るスタジオレコーディングと違い、ステージでのマイクは、ドラムや管楽器からの回り込みが入るし、自分に大きく返すとハウってしまうのでNadineの音はPAに送って出してもらうようにしています。自分でもNadineの音をモニターできると良いなと色々トライしてみたんですが、なかなか低音のブーミーになってしまうところのコントロールが難しい上に、マイク用にファンタム電源を供給できる機材、ピエゾとブレンドさせる機材と考えていくとまた持ち歩くものが増えていくので、これは大変かなと、ひとまず諦めました。


──コントラバスの拡声とはどのように向き合って来られましたか?

ピックアップからライン信号だけで拾うと硬いピエゾな音になってしまいます。最近はやっていないですが、昔はライブ・レコーディングもよくあって、その頃のライブ・レコーディングではいつも“これがウッド・ベースの音かな?”という音の仕上がりにしかならなかった。実際にバンドの中でコントラバスをアコースティックな感じにするのはとても難しくて、コントラバス単体で音を作るとボケっとした音になるし、バンドの中でハッキリする音に寄せて行きすぎるとカリカリな音になってしまう。これは何十年もみんな悩んでいることで、永遠に尽きない問題かと思っていましたけど、いろんなことを試してきて大体のところまで持って来れるようになりました。このツアーでもピエゾとNadineの組み合わせはとてもうまくいっていると思います。Nadineの音を本番中に自分で直接聞けないのは寂しいですけど、ライブが終わった後に卓の音源を送ってもらうと、コントラバスがちゃんとコントラバスの音になっているんです。周りからの反応も良いしこれはうまくいっているなと実感しています。





──新しく立ち上げられたというオンライン・ベース・サロンについて教えてください。

僕のクリニック動画の配信がメインの会員制サイトなんですが、悩みがあれば可能な限り質問にも答えていくというもっと相互的なものです。コントラバスはマイナーな楽器ということもあって、何から始めるのがよいか、どうやって楽器を運んだらよいのか、というようなところまで全然情報がありません。僕は、アメリカから帰ってきてから30年近くレッスンを行ったり、大学で教えたりしながら、ずっとQ&Aを溜めているんです。コントラバス・プレーヤーは東京都内でこそたくさんいますが、少し東京から離れると全然いません。北海道から沖縄まで、一人、孤軍奮闘されている方というのはたくさんいるので、お互いの時間をとってレッスンするよりも動画で見たい時に見ることができた方がお互い効率とく時間的なロスも少ない。今のインターネットであればそれが可能です。エレキベースを何年もやってきた上で、これからコントラバスでジャズを始めたいという方もいますし、プロの方でもっとJAZZの理解を深めたいという方もいますので、来るもの拒まずのスタンスで初心者からプロまで、それぞれのレベルに合わせた話をしているんですね。このオンライン・ベース・サロンは、これまでの集大成として僕の情報でコントラバスの裾野が広がってくれるものになったら嬉しい思っています。


納浩一: https://www.osamukoichi.net/

オンライン・ベース・サロン: https://www.osamukoichi.net/?page_id=1116